今流行りの「実験と検証」のワナ
最近流行りの「実験と検証」を間違っていませんか?
最近、物事の練習の中で「実験と検証」をしていくと効率が良いという情報が多く出回っています。これからの社会で必要なのは「効率性」なので、必然的な流れですが、これを間違って行うと大きな大きな沼にはまってしまうかもしれません。僕も沼にはまってしまった人間の一人です。
目次
「実験と検証」とは
例えばあなたがトランペットを練習していたとします。トランペットの演奏は複雑で繊細な動作や息と唇のバランスによって成り立っています。高い音が出ない時に、実験として楽器の角度を少しだけ変えると、その音が出るかもしれません。また口の力の入れ方を少し変えることでも出るかもしれません。
「実験と検証」とは、このように頭を使って効率よく練習するために、意図的に操作を変えたりすることです。
何が危険なのか
上手くできれば、これは自分の糧になります。つまり、実験と検証はうまく使えれば全く問題ありません。
ですが、実験と検証で何が厄介なのかというと、「あたかも自分がたくさん練習しているかのような感覚」に陥ることです。
実験で一時的な効果が得られて、それで満足してしまう可能性が高いということです。
もちろんそれでは駄目です。なぜなら反復練習によって定着させなければ長期的に見て、何の効果も得られないからです。
そして、僕が一番危険視しているのは、意図的に操作を変えることです。もちろんある程度は自分で意図的に操作しなければなりません。ですが、口の力の入れ方などを意図的に操作するとそれは演奏の中で使えない技術となってしまいます。
よくある例になってしまいますが、喋るときに口の形は気にしませんよね?そして、喋るときは話す言葉も大体の場合ほとんど考えず、ほぼ無意識的に決定していると思います。(もちろん例外もありますが)
つまり、楽器演奏において口の力の入れ方などを意図的に操作することは喋るときに口の形を意識するのと同じなのです。ですから操作の仕方には工夫がいる(やりすぎないようにする必要がある)でしょう。それを忘れたとき、僕たちは沼にはまります。
あることを実験して成功だった時、さらに改善するために別の箇所を実験する。そうやって、反復練習の過程を飛ばして先へ先へ進もうとしてしまう。これは上達などを焦っている人に多いです。
また、反復練習によって習得するには思ったよりも長い時間を要します。実験の頻度は本来少ないはずなのです。
「実験と検証」をうまく使いこなすには?
実験と検証を上手く使いこなすには、実験で得た成果を身につけるという意識をもち、反復練習を忘れないことが重要です。そして反復練習には思ったよりも長い時間がかかってしまうことも念頭に置いておかなければなりません。
効率の良い練習法
その日の練習の始めにその日意識することを1つ決めます。それを意識できているのかを考えながら、反復練習によってみにつけます。
実験は、意識して反復練習をする事そのものです。
つまり、1つのことを意識して様々なバリエーションをつけた反復練習を行うことで初めて実験をしていると言えるのです。
科学者が1つの実験から何度もデータを取って、初めて論文を書くのと同じです。反復練習でデータを蓄えるのです。
絶対に忘れてはいけないこと
練習はポジティブなものでなければなりません。なぜなら、ネガティブな練習は自分のメンタルを蝕むからです。
一度蝕まれてしまうと抜け出すことは難しく、抜け出すまでの練習は効率の悪いものとなってしまいます。楽しくもありません。
自分が楽しめて、建設的で、目的を持った練習ができると良いですね。もちろん、これらのことは練習全般において言えます。
僕も含めてみなさんで、日々の練習、頑張りましょう!
以上プックリマンでした!